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昨今、気候変動は社会全体の課題となっており、 世界共通の長期目標が掲げられ、 その解決に向けた動きが加速しています。 この問題を解決するには、 カーボンニュートラル社会の実現が必須です。 クボタのお客様である建産機器業界においても、 環境負荷の低減が課題となっています。 クボタは、お客さまのアプリケーションのために、 エンジンの低炭素化、 脱炭素化の実現を目指しています。
クボタエンジン×カーボンニュートラル
Kubota Engine Toward Carbon Neutrality
クボタは、内燃機関がカーボンニュートラルに貢献する方法が3つあると考えています
クボタエンジンがカーボンニュートラルを目指すためのロードマップと3つのソリューション「ピュアエンジン」「ハイブリッド」「フューエル」を紹介します。
環境負荷低減に向けた、 カーボンニュートラル社会への クボタエンジン 3つのソリューション
01
Pure Engine
Solution
既存のエンジンの さらなる低燃費化を目指す
既存エンジンの燃焼効率向上を図り、エンジンのCO₂排出量を削減する。
D902-K / D1105-K
2021年に、小型エンジンにおける燃焼効率を向上させるTVCRという技術を発表しました。電子制御により、クリーンな排出ガスと低燃費、高効率な作業、さらには自動化・無人化などのICTニーズにも貢献します。また、HVO使用時の出力低下を抑制し、エンジンの高いパフォーマンスを維持します。
*HVO:Hydrotreated Vegetable Oil の略。バイオマスを水素化処理するプロセスを経て精製されるパラフィン燃料
02
Hybrid
Solution
電動モーターの特徴も活かした、 クボタエンジン
クボタのオフロード車両におけるエンジン搭載知見を活かし開発した、電動モーターを活用するエンジン。
マイクロハイブリッド(P0)/ P1ハイブリッド
最大10kW出力の電動モーターがエンジンに付属しており、高負荷が必要となった瞬間にモーターがその分の出力を補います。このため、一瞬の高負荷に合わせてエンジンモデルを選択する必要がなく、使用頻度が高い低中負荷領域に合わせてエンジンを選択することが可能になります。エンジンのダウンサイジングにより、排気ガスの量を減らすことができます。
03
Fuel
Solution
これまでも多燃料化に対応してきた クボタならではの、未来に向けた開発
クボタは水素エンジンを開発しています。すでに代替燃料に対応したディーゼルエンジンも含め、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
水素エンジン
クボタは産業用水素エンジンの開発を進めています。 水素は酸素との反応でエネルギーを発生させる際にCO₂を排出せず、排出されるのは水蒸気のみで、ゼロカーボン(温室効果ガスを排出しない燃料)であるとみなされています。
同じ水素から動力を得る 燃料電池(FC)と水素エンジンの違い
燃料電池 (FC)
水素と空気中の酸素を結合させることで水と電気を作り出し、電気モーターで駆動させるもの。
水素エンジン
水素と空気中の酸素の結合による燃焼爆発を起こすことで熱エネルギーを作り出し、内燃エンジンによって駆動させるもの。
クボタはこちらの内燃エンジンの 開発に取り組んでいます。
代替燃料について
クボタのディーゼルエンジンは、ヨーロッパ規格 EN15940準拠の代替燃料に対応しています
代替燃料とは
代替燃料とは、石炭や石油に代わるエネルギー資源の通称です。 具体的には天然ガスやメタノール、エタノール、LPG、DME、バイオ燃料、水素などが挙げられ、主に自動車や航空機、産業機器などで使用されています。
代替燃料の特徴
化石燃料と比較してCO₂排出量が少ないという特徴に加え、化石燃料が使用される機器でも容易に切り替えができるなど、導入の検討がしやすいというメリットもあります。
代替燃料の種類
代替燃料の種類は様々で、精製のプロセスや組成によっていくつかの種類に分けられます。 主なところを挙げると廃食油(植物油)を原料にしてつくられるFAME(Fatty Acid Methyl Ester/脂肪酸メチルエステル)などがありますが、 中でも普及が進んでいるのがHVO(Hydrotreated Vegetable Oil/水素化分解油)です。 HVOも同様に植物油などから作られますが、水素化処置のプロセスを経て精製され、ディーゼル燃料に近い性質を持ちます。こうした代替燃料は「パラフィン燃料」とも呼ばれています。
パラフィン燃料について
パラフィン燃料は欧州規格としてEN 15940が定められるなど、国際的にも品質や安全性の保障が整備されています。 これは主に引火点や潤滑性、燃料の含有量に関する規格で、パラフィン燃料が欧州連合内で使用・供給される際に準拠される規格のひとつです。 従来のディーゼルと性質に大差はないとみられ、自動車や産業機器でも使用されるなど、市場でも浸透し始めています。
代替燃料と カーボンニュートラル
CO₂排出を抑えられる燃料と機器を長期間使用することで、電化せずとも結果的にカーボンニュートラルにつながるという期待も注がれています。代替燃料が化石燃料の後を担うように重要なエネルギー源になる日も、そう遠くはないでしょう。